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まん延防止

新型コロナ対策の「まん延防止等重点措置」。
いつも言っていることだが
「蔓延」 の「蔓」 の字が常用漢字ではないため
「まん延」 と混ぜ書きで表記されている。
「慢性」 とか「自慢」 の「慢」 の字、
「漫画」 とか「散漫」 の「漫」 の字、
これらは常用漢字なのに「蔓延」の
「蔓」 の字がなぜ「常用」 とされていないのだろう?

まん延

「蔓」の字は「くさかんむり」 でわかるように
植物の枝や茎が伸び広がっていくという意味だ。
それを「まん延」 とひらがなにしてしまっては
漢字の意味が伝わらない。

さらにあろうことか「まん延防止等重点措置」 を
「まん防(まんぼう)」 と略したりするから
言葉に軽さが生まれ、緊張感が薄まっている。
政治家の皆さんが「まん防の適用も考えている」 と
いくら声高に言っても「まん防」 じゃあ緊張感は
伝わらないでしょう!

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鳥肌が立つ

朝日新聞に掲載されたある育毛剤の広告。
「使用感の良さに鳥肌が立ちました!」

「鳥肌が立つ」 はもともと「急激な寒さや恐怖で
皮膚がぶつぶつになること」 を言うのだが
近頃は非常に感動した場合などにも使うようだ。
辞書にもそういう場合の用例が載るようになったが
本来は誤用ですね。

鳥肌


この誤用がどのように定着していったのか
よくわからないが、TVのグルメ番組などで
いわゆるレポーターが「あまりにおいしくて鳥肌が立ちました」
とかコメントしているのを聞いたことがあるような気がする。
この辺りが起源だとすれば、
こうした誤用に目をつむった方にも責任があると思うけどね。

いまのメディアは差別用語とか不適切な発言には
かなり気を遣うようになったが
こうした言葉の誤用にはまだまだ甘いところがあると
幸兵衛は思うのだ。

どう読む「臭い」

あるクリーニング店の店頭に出ていた看板。
「全品臭いブロック加工付」 とあるが
思わず「臭い」 は「くさい」 と読んでしまった。

臭い

「臭」 の字は現在の常用漢字表では
音読みで「シュウ」、訓読みで「くさい」「におい」 と
あるが、かつては「におい」 は常用漢字表外の訓読みと
されていた。従って慣習的に
いい感じの時は「匂い」 だが、悪い感じのときは「ニオイ」 と
書き分けることが定着しているように思う。
いまどうだろう? 悪いにおいを「臭い」 と
表記する例はあまり見ないのではないだろうか。

クリーニング屋さんの看板はもちろん
誤記ではないのだが、以前のように
「臭」 の字の訓読みから「におい」 を外しても
いいのではないかと幸兵衛は思う。